第260章

藤原邦達はずっと、島宮健太が母の子だと思い込んでいた。健太を陥れながら、同時に彼女のことも――。

 胸の奥に憎しみの種を植えつけ、天瀬震を憎ませる。天瀬震に復讐させる。

 手に入らないなら、壊す。

 それが藤原邦達という男だった。

 母を壊しただけじゃない。彼女と島宮健太まで、壊そうとした。

 けれど結局、自分で持ち上げた石を自分の足に落とすことになる。藤原邦達自身、まさかここまで読み違えるとは思っていなかったはずだ。どれだけ算段を重ねても、最後に傷つくのが――実の息子だなんて。

 島宮奈々未も立ち上がり、両手で机をばんっと叩いた。

「藤原邦達。私、あなたと無駄話してる暇はない...

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